若さは凄い梅雨が長いような。。

2021年05月28日

RYUSO HISTORY#12 薄れていく職人感覚

元々は職人として、ある意味気楽にやっていた時期もあっただけに、商売(経営)というものをやっていくようになってからは、どんどん職人時代の感覚が薄れ、考え方が変わっていきました。特に人としての印象や会話(コミニケーション)は大きく違っていて、きちんとした仕事をしてさえいれば、誰かにとやかく言われる筋合いはない!くらいの人も多くいる職人の世界ではありますが、いざ一歩離れた状況を見れる管理者になってみると、決してそうではないことがわかるのです。

・現場でヤンキーのように暴言を吐いていますが、中身はいいやつなんですよ。
・身なりはとても乱れて見えますが、仕事はとても綺麗なんですよ。
・受け答えが不愛想で素っ気ないですが、まごころ込めて施工をするんですよ。
・物を投げたり乱暴な行動をとっていますが、実は勤勉で常に技術向上のため学んでいますよ。

のようであったとしても、仕事を依頼して会ったばかりの職人に対して、お客様は(近隣住民の方は)上記例えに書いているような印象を持ってくれるとは限りません。そう思った私は、いい奴なんだからヤンキーみたいに暴言吐くな、仕事は綺麗にできるのにだらしない格好をするな、せっかく気持ちの入った施工ができるのにもっと愛想よく喋れ、仕事に対して勤勉なのに荒くたい行動をとるな、と注意するようになっていきます。

元々は職人仲間のような社員や職人にも、今思えば上から指導するように注意することも増え、なかなか変われない職人に対し、口には出さないもののバカにするような感情も芽生えてきました。
「なぜ変わってくれないんだろう。自分自身が損しているはずなのに。なぜわかってくれないのか。」

印象が悪くなると仕事が来なくなり売上は下がります。利益も無くなれば給料や経費も払えなくなる。なのに何故... 会社のことをどうでもいいと思っているのか...
私は一時期、職人嫌悪になってしまっていたかも知れません。今思えば若き日の自分がどんどん新しい価値観に気づき、その価値観を誰彼構わず押し付けようとしていただけだったんだと思います。

しかし時代風潮は変えれません。やはりそういった職人への苦情は年々増しているように思います。一昔前であれば「現場の職人さんはそんなもの」といった許容が社会にあったのだと思います。乱暴な口調で無愛想だけど腕前は一流、そんな職人モデルに美学もありました。そう考えれば難しい時代になったと思いますし、やっぱり職人も変わっていかないといけないんですね。

というわけで、私はそうやって職人感覚が薄れていき、ついには理解できなくなり、当時の職人たちと大きな溝を作ってしまったと思います。ちゃんと職人たちを尊重しながら丁寧に寄り添って指導していく局面で私はさじを投げてしまい、心でバカにして彼らに寄り添わなくなってしまった。

その後は工事にはあまり関わらず、不動産やIT関連のお仕事に合わせて8年ほど携わったりしながら私も40歳を迎えようとしていた頃になって、あの頃の自分の器量の狭さ、多様性についての理解の無さ、何事も人様のおかげであるという感謝、それらが少しなりともわかるようになって猛省したのでした。。笑

職人さんには常に技術を磨いてもらい、お客様への理解や出来る限りの本人たちへの指導は管理者の責務であり、いろんな人たちが関わる家創りを成し遂げていかないといけないんですね。
一度海外移住を経験した人は良く日本文化のおかしいとこ、悪いとこに気づき指摘するようになるといいます。(海外かぶれっていうやつですね!笑)それは職種でも同じでそうなりがちなものです。
しかし悪いところばかりに目をやらず、人の良いところにしっかり気づいて、みんなの良いところを結集して物事に取り組む。そうやって今後も家創りに携わっていきたいなと考えています。

STANDARD LIFE by RYUSO

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ryuso at 14:06│Comments(0)RYUSO HISTORY | 外装工事

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